滋賀県議会 2022-10-06
令和 4年10月 6日教育・文化スポーツ常任委員会−10月06日-01号
7 配付した
参考資料 別紙のとおり
8 議事の
経過概要 別紙のとおり
議事の
経過概要
開会宣告 9時59分
《
教育委員会所管分》
1 議第110号 令和4年度滋賀県
一般会計補正予算(第4号)のうち
教育委員会所管部分について
(1)
当局説明 村井
教育委員会事務局教育次長
(2)質疑、
意見等
◆
川島隆二 委員
電気料金の高騰に対する
補正予算はいつからいつまでを対象としていますか。
◎上田
教育総務課長 10月から今年度いっぱいまでです。
◆
川島隆二 委員 今、国で
電気料金高騰に関する動きがあります。今回の
補正予算の
電気料金高騰対策は
一般財源となっていますが、国が高騰分は手当てするとなれば、その交付金などを使う方向に変わるということですか。それとも
一般財源のままなのですか。
◎上田
教育総務課長 今のところは
一般財源と考えていますが、国の動向にも注視しながら、県庁全体として方針は出していくものと考えています。
◆
清水鉄次 委員
関西電力が来年の夏ぐらいに価格の改定をすると聞いています。
価格改定があれば滋賀県にも影響があると思いますが、何か情報を持っていますか。
◎上田
教育総務課長 具体的に
関西電力の値上げの
タイミングまでは把握していませんが、
原油価格の高騰に伴い、電気代が高騰することも踏まえ、来年度の
予算編成を検討しています。
◆
清水鉄次 委員 分かりました。
もう1点、
河瀬高校の
エレベーター設置工事に係る設計の件について、今年度必要とされる生徒が入学して、今年度に設計、来年度に工事をする計画であるならば、
エレベーターが完成するときには、その生徒は2年生を大分過ぎていると思います。その理解でよいですか。
◎上田
教育総務課長 はい、そうです。今年度に設計し、来年度の生徒のいない夏休みに集中的に工事を行い、10月頃をめどに完成と考えています。2学期の途中ぐらいから御利用いただけるように進めています。
◆
清水鉄次 委員 それが最大のスピードなのですか。事前に想定して対応することはできないのですか。入学したその秋ぐらいから使えるようにするのは、物理的に難しいのですか。
◎上田
教育総務課長 車椅子を御利用の生徒が入学する場合、もう少し早い
タイミングで
補正予算を計上します。今回は
内部疾患の生徒であり、1階で特別に部屋を用意して授業を受けていただいていますが、
エレベーターがない前提で入学されました。しかし、実際に
学生生活を送っていく中で、やはり友達との交流や
学習環境などの
学生生活の幅を広げたいという本人や保護者の希望があり
エレベーターを要望され、学校側も検討した上で、今回、予算を計上しました。そういった経過もあり、
設置対応が遅れました。
◆
清水鉄次 委員 理由は分かりましたが、車椅子の方が御入学すると分かった段階で、事前に対応を進めるのは難しいのですか。
◎上田
教育総務課長 3月下旬ぐらいの
合格発表により、車椅子の方が入学されると決まった段階で検討を始め、
補正予算で対応するというのが今までの状況です。
◆
中沢啓子 委員
清水委員の関連です。
インクルーシブという流れを考えれば、ある程度、そういった生徒が入学する前提でいろいろな段取りをしてほしいと思います。例えば、基金を積んでおき、その基金を活用して設計だけは行っておいて、生徒が入学した夏休みに工事をするという状況となるよう、検討してほしいと思います。
◎上田
教育総務課長 3月下旬の
合格発表でそういった生徒が入学する学校が判明しますので、どうしてもそれからの検討、作業になると御理解いただきたいと思います。
◆
川島隆二 委員 ここ数年、何回かそういった生徒が入学して
エレベーターをつけるという状況が続いていますが、現状、
エレベーターがついている学校は何校ありますか。
◎上田
教育総務課長 現状、高校で17校、
特別支援学校で10校が設置しています。
◆
川島隆二 委員 そういった対応では、
エレベーターのない学校への進学が難しくなりますよね。初めから全ての学校に
エレベーターがある状況にしようとはならないのですか。
◎上田
教育総務課長 未整備の学校は、現在、33校であり、全ての学校に
エレベーターを設置するとなると、一般的な単価で積算した場合、23億円ぐらいの予算額となります。現状は、そういった生徒が入学する段階で検討したいと考えていますが、今後、
インクルーシブ、幅広い生徒を受け入れるという観点から、そういったことも必要だと思います。予算との兼ね合いで今後、考えていきたいと思います。
◆
川島隆二 委員
エレベーターを必要とする生徒が卒業した後、設置した
エレベーターは使わないですよね。ほかの学校に必要とする生徒が入学すれば、また1校1校設置するわけですよね。その都度対応するのは、すごく効率が悪いと思います。残りの学校に設置する費用について23億円ぐらいと説明がありましたが、エアコンの設置のときと同様に、数校ずつ計画的に設置することで無理なく予算を組むことができると思います。これは
教育委員会で検討したほうがいいと思います。
エレベーターを必要とする生徒が、どの学校へ入学しても1年生のときから
エレベーターを使える状況にするために、ぜひ検討をお願いします。
◎福永
教育長 高等学校や
特別支援学校の
施設整備に関しては、
エレベーターやトイレ、それ以外の
老朽化対策、あるいは
狭隘化対策など様々な御要望があります。私たちも予算を取れるように一生懸命頑張りますので、御支援をお願いいたします。
◆
川島隆二 委員 分かりました。ちゃんと計画を出してください。
◆
中沢啓子 委員
エレベーターを必要とする先生が採用され、赴任する
可能性もあります。先ほど
エレベーターがない前提で入学したという説明がありましたが、
エレベーターがないとそもそも選択肢から外れてしまう
可能性がありますので、計画的な設置を検討してほしいです。それが難しいのならば、せめて入学した夏にどうすれば工事できるのかを考えてほしいと思います。また、車椅子の先生がいるということ自体が、生徒にとってまた違った教育になると思いますので、そういったことも含めてぜひ対応をお願いします。
◎福永
教育長 参考までに申し上げます。現在、
エレベーターを
設置済みの高校が17校、
特別支援学校が10校あります。例えば車椅子の先生の場合は、
エレベーターのある学校で勤務していただく工夫をすれば一定、先生の移動を確保しながら教育も進められます。しかし、生徒の場合は、試験を受けて入学しますので、先生とは状況が同じではないと認識していますが、
エレベーターをできるだけ早期に整備できるようしっかりと取り組んでいきます。
(3)採決
全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。
2 陳情第3号
滋賀県立特別支援学校の
看護師配置について
委員長から執行部に対して、願意を検討のうえ、妥当なものは施策に反映されるよう要望された。
3 令和4年度第2回滋賀県
総合教育会議の結果について
(1)
当局説明 上田教育総務課長
(2)質疑、
意見等
◆
有村國俊 委員 こういったことをしっかりやっていくことは大事だと思います。
教育委員会の
トップリーダーは
福永教育長ですので、いろいろなゲストや出席者の中でも、一番イニシアチブを取れる
ポジションだと思います。ふだんからの思いを、もっと遠慮せずに発信していただければよいと思います。
自己肯定感や
自尊感情を養うといった大きなビジョンを持ちつつ、どんどん思いを発信してほしいと思います。いろいろな方を招いているので、いろいろな意見を聞く必要はありますが、そういった方々にサジェスチョンできる
ポジションですので、様々な意見を遠慮せず発信していただければよいと思います。
◎福永
教育長 総合教育会議は、知事が主催し、知事と
教育委員が教育について議論を交わす場です。私は司会をしている関係上、あまり発言できません。しかし、次の
教育振興基本計画をつくる作業を今月から始めていこうと思っており、
審議会の委員と私とでしっかりと議論をしたいと思います。
審議会の委員の御意見を聞きながら、
県教育委員会の思いをしっかりと発信し、
子供たちの
自尊感情については、今
定例会議でも御質問いただいた件でもありますので、しっかりと取組を進めます。
◆
川島隆二 委員 資料に「令和の
日本型学校教育」と記載されていますが、どういう
イメージですか。
◎上田
教育総務課長 当日の説明者である
文部科学省の課長から、「全ての
子供たちの
可能性を引き出す、
個別最適な学びと協働的な学びが一体的に充実した学びが実現されたもの」と説明がありました。その強力な武器が
ICTだという発言もありました。また、
個別最適な学びについては、孤立した学びとならないように、協働的な学びについては、
子供たちが集団の中で埋没しないように、それぞれを一体的にやるために
ICTという武器を使って進めていくという発言がありました。
◆
川島隆二 委員 最近、
ギフテッド教育の話もありますが、今までの日本の
学校教育の
イメージは、ある
意味詰め込み型の教育だという話があります。これから子供の主体性などに重きを置きますとなっても、その転換に学校の先生はついていけますか。
◎横井
高校教育課長 学校現場の先生がついていけるのかについてですが、3年くらい前から、
文部科学省より令和の
日本型学校教育の視点について指示がきており、全ての
県立学校の
校長先生にその趣旨を十分説明しています。
また、
ICTについては、1人1台端末が今年度から整備されました。秋の
校長先生の会議をちょうど今、別の会議室で行っており、
ICTを含んだ
個別最適な学びをしっかりやってほしいと、担当から説明しています。
しかし、まだまだ
学校現場の先生に、そのあたりが十分に普及していない部分もあります。当課としては、担当の
指導主事が
県立学校を年2回訪問して、その趣旨を管理職や先生に伝えています。
◆
川島隆二 委員
高校レベルはまだいいのですが、小中学校、特に小学校では、例えば自分の名前を漢字で書くときに、「習っていない漢字だから、この漢字を使っては駄目ですよ」と言われることがあります。習っていないという理由で、算数の問題でも1つの
アプローチだけが正解で、ほかの
アプローチは不正解などと言われてしまいます。子供が考えて導き出したやり方であれば、それはそれでいいと思いますが、先生がそういった指導をしてしまうと、令和の
日本型教育から離れてしまうと思います。
学校現場ではそういったことが普通に行われているので、これから目指そうとする
文部科学省の
教育方針とうまく合致するのか疑問です。現場が趣旨をきちんとそしゃくできていますか。
◎澤
幼小中教育課長 令和の
日本型教育について、特に小学校においては、
発達段階に応じて
授業内容やその
組み立て方、
教育課程をしっかり考えることが教員に求められています。基礎的、基本的な部分は、しっかり定着するまで教員が教える必要がありますが、主体的、対話的な深い学びは、低学年からも適用できる部分があり、
個別最適な
学びや協働的な学びを、どのように組み込むのかについて研修等で教員に指導しています。読み解く力の育成や主体的、対話的な深い学びにつながる授業が、少しずつ広がっていますので、今後、
全校体制でできるよう進めたいと考えています。
◆
川島隆二 委員 子供がやる気を出しているときに、学校の先生が
リミッターをかけては駄目だということです。子供が「こうやりたい」「こういうことをもっと勉強したい」と言ったときに、先生が「習っていないので、まだ駄目です」といった
リミッターのかけ方がよくないということです。そういったことが現場の今の在り方ならば、変えていったほうがいいと思います。習っていないので分からない子供もいるかもしれませんが、習っていなくても分かっている子供がいるのならば、うまく差配することが大切ではないですか。習っていないから駄目だと言うのではなく、「よく知っているね」「頑張っているね」という方向にしなければいけないと思います。
◎澤
幼小中教育課長 個別最適ということは今、委員がおっしゃったようなことかと思います。現在、個に応じた
学習指導や
習熟度別の指導も行っています。
今後、国からも、力のある子供をどのように育てていくのか、また、学びにくさを感じている子供をどのようにフォローするのかが一層焦点化されると思います。県としてもしっかりと
学校現場に考え方が伝わるようにしたいと思います。
◎嬉野
教育委員会事務局教育次長 去年まで
高校現場にいました。今年で学制150年であり、一斉授業がずっと行われてきた状況の中で、今、教員は正直、もがいていると思います。
総合教育会議の
ゲストスピーカーの小学校の先生の発表で、教員は子供の自発性を待つことを意識するという表現がありました。私も去年、
高校現場で全ての先生の授業を2回ずつ、100時間見ました。全員の授業を見て話したことは、「先生、我慢しよう」ということです。今までの高校では、前に立って一方的に知識を注入するような授業が多かったです。でもそうではなくて、
ICTも活用しながら、先生は説明することをぐっとこらえて、生徒に考えさせる時間をつくることが大事だと伝えてきました。その時間を確保するために、
ICTを活用したらいいとずっと言ってきました。
学校現場はもがきながらではありますが、一斉授業ではない
個別最適な学びを何とかしていこうと取り組んでいます。
習熟度別指導もやっていますし、同じ授業の中で、できる子供には先に進んで問題をやってもらうこともあり、その子供に合った学びに取り組んでいます。
また、学び合いをすごく大事にしています。高校生の授業の中でも教え合い、学び合いを行います。小学校や中学校でも同じように取り組んでいます。長きにわたり一斉授業のような指導を行ってきましたので、なかなか進まない部分もあるかもしれません。教員や授業を受けている生徒もそれに慣れてしまっているところがありますので、変えるには一定の時間がかかると思います。末永くと言いましたら怒られるかもしれませんが、見守っていただけたら頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
◆
中沢啓子 委員 教育の現場で試行錯誤することが、教育の質を支えていると思います。学校の先生も、主体的に授業を組み立てる、目の前の子供をどのように見ていくのかが重要です。
嬉野次長がおっしゃるように、正解を求める、志望校に受かるための授業がずっと続いてきたと思います。そこから転換し、
子供たちの主体性を伸ばせるかという話になると、先生も今までの枠から外れてチャレンジしてほしいと思います。また、チャレンジできる環境を
教育委員会はつくってほしいと思います。
もう1点、学びの共同体を考えると、その場で何を言っても一旦は言葉を受け止めてもらえるという、互いの
信頼関係やリスペクトが必要です。お互いに認め合いながらつくり上げていける環境をぜひつくってほしいと思います。そういう環境が学校の先生にも必要だと思います。学校の先生もお互いにリスペクトでき、認め合うことができるようにお願いしたいと思います。駄目なことは駄目と言うことはもちろん必要ですが、そういった環境をつくれるように頑張ってほしいと思います。要望です。
4 令和4年度「滋賀県
教育委員会事務の点検・評価」および「第3期滋賀県
教育振興基本計画の
進行管理」に関する報告書(令和3年度実績)について
(1)
当局説明 上田教育総務課長
(2)質疑、
意見等
◆
川島隆二 委員 今までのこういった
数値目標は、それなりに達成できそうな
目標値に設定して、達成できたという報告が多かったと思います。今回、未達成が22項目、達成が5項目です。厳しめに
目標値を設定したのですか。それとも達成できそうな
目標値でこの結果なのですか。
◎上田
教育総務課長 達成できるような目標にするのか、達成困難な目標にするのかは、なかなか悩ましいところです。一定努力すれば達成可能な目標に設定しているはずですが、今回、
コロナ禍の影響等もあり、
目標値に達していない状況です。
しかし、校種別にもう少し
数値目標を細かく分けますと、前年度と比較可能なものが39項目あり、その中で前年度より数値がよくなっているものは20項目ありますので、
コロナ禍でも、それぞれの取組は努力しながら進められていると考えています。しかし、当初設定した目標には届いていない状況です。
◆
川島隆二 委員 達成できるだろう
目標値を達成できなかったのであれば、もっと取り組まなければいけなかったのではないですか。それから、コロナの影響と説明がありましたが、例えば読書は、
コロナ禍で家にいる時間が増えたのであれば、もっと本を読む時間が増えるはずなのに増えていません。「学校の授業時間以外に、普段、1日当たり10分以上読書している者の割合」について、平成30年度、令和元年度の実績を見ると、ずっと数字が落ちています。読み解く力が伸びていますと言われても、この状況を見ると、本当に伸びているのか疑問です。政策的な不一致とまでは言いませんが、これについてどう考えていますか。こういったものを分析し、次の政策につなげることが一番大事です。
◎澤
幼小中教育課長 読書に関しては、課題があると認識しています。読み解く力の育成の基本となる力を育てるためにも、本を読むことが好きだという
子供たちを増やすことや、読書の時間を増やすことが大切だと思います。
これまでも取り組んできましたが、
図書館司書と連携を図り、図書に関する
子供たちの
興味関心を高め、本好きを増やすことが大事だと思います。学校には
司書教諭もいますので、
司書教諭の研修も行いながら、
子供たちが本に親しめるように取り組みたいと思います。
◆
川島隆二 委員 司書は相当忙しいと思います。
それから、古くなった本をうまく活用できていません。新しい本に入れ替えるのはいいのですが、古くなった本はそのまま捨てられています。クラスの
学級文庫に回す、寄附して使ってもらうなど、いろいろなやり方があるのに捨てられていますので、もったいないと思います。
あと、もっと漫画を活用してもいいと思います。親が本を読まなかったらその子供も本をあまり読まないので、漫画を導入して、そこから活字に親しんだらよいと思います。あまり堅く考えると難しいので、活字に慣れるためのやり方を考えたほうがいいと思います。
司書の数は全然足りていないので、司書に任せていたら、多分パンクすると思います。
こども図書館は、
教育委員会マターになると思いますが、具体的な形が全然見えてきません。いろいろな言葉が出てくるのですが、それぞれがうまくつながっていないように感じます。
◎澤
幼小中教育課長 図書の充実について、国の
地方財政措置もされますが、うまく活用できていない市町もある一方、本当に熱心に取り組んでいる市町もあります。
全国学力・
学習状況調査の
児童生徒質問紙を見ますと、市を挙げて
学校図書館司書や
学校図書の充実を図っているところは、本を読むことが好きだという子供が多くなっています。
ですので、そういったことを市町でも見直していただきながら、県と協力して図書の充実を図れればと思います。
また、おっしゃったように漫画で活字に慣れることについては、最近の図書室の本を見ていますと漫画が多くなっていると思います。とにかく子供が本を取ってみようと思うような
図書室運営のために、そういった好事例を県内に広げたいと思います。
◆
川島隆二 委員 先日の報道にあった
学校図書の状況に関して、市町の状況を後でよいので教えてほしいです。
◆
有村國俊 委員 ありのままの自分を大切に思う
自尊感情を高めることが重要ですので、
数値目標に「『自分にはよいところがあると思いますか』に肯定的に回答した
児童生徒の割合」を設定していますが、令和3年度は達成できていません。小学校の段階で
自尊感情を高めることが難しいということを非常に心配に思っています。
福永教育長がいつもおっしゃっている
自己肯定感や
自尊感情を高めるということは、豊かな心と連結していると思いますが、いつもは60点だったテストの点数が80点になることは
自己肯定感につながると思います。学校は学力を高めるところですので、基本的にはそういう考え方だと思います。
結果を見ますと、小学校で目標が86.2%以上で実績は77.2%、中学校で目標が78%以上で実績は74.3%です。この結果の地域性を分析して、学力とのリンクをしっかり研究しないと、10年、20年後も同じレベルのまま推移してしまいます。もっとマトリックス的に考えることを提案します。
◎阪東
人権教育課長 自尊感情を高める取組について、
人権教育課では、困難な状況にある
子供たちが多い学区等を指定し、
自尊感情を高めるため、学びの
礎ネットワーク推進事業を展開しています。学区に手を上げてもらい、その学区の中で
自尊感情を高めることにつながった好事例等を
県内全域に広げる取組を行っています。
例えば
安心ルールというものをつくり、何を言っても安心できるような
学級づくり、
集団づくりに力を入れている学校もあります。そういうところでは
自尊感情の数値が若干伸びている傾向も出ています。
◆
有村國俊 委員 好事例を県下13市6町に広げるため、しっかり
県教育委員会として指導をお願いします。
私は
因果関係について申し上げました。
因果関係を辞書で引くと、幾つかの事柄の関係において一方が原因で他方が結果であるというつながりとあります。
自尊感情と
自己肯定感を高めることについて、その
因果関係を調べていただきながら、今後もしっかりと指導をしてほしいと思います。
◆
中沢啓子 委員
家庭教育支援チームを組織する市町の数が1つ増えて8市町になったと説明がありました。政府の令和3年子供の
生活状況調査の
分析報告書を見ると、
等価世帯収入が
中央値の2分の1未満の世帯の子供は、いろいろな困難があるという分析が出ています。具体的には、「
新型コロナウイルス感染の拡大による変化として、『学校の授業が分からないと感じること』について、『増えた』と回答した割合は、収入の水準が低い世帯や
ひとり親世帯で高い」となっており、また、「『増えた』と回答した割合は、全体では26.4%であったのに対し、
等価世帯収入の水準が『
中央値の2分の1以上
中央値未満』の世帯では27.6%、『
中央値の2分の1未満』の世帯では36.1%、『
ひとり親世帯』全体では32.4%」という数字が出ています。3人に1人、4人に1人で授業が分からないことが増えたと答えています。
家庭の収入が減り、それに伴い親が精神的にストレスを感じ、しんどい状況になっています。勉強する意欲につながる手前にもたくさんの要因があると思います。ですので、令和3年に
家庭教育支援チームを組織する市町の数が1個しか増えていないのはよくないと思います。県が頑張っても市町のことなので、思うようにはできないかもしれませんが、数字としてこれだけ困難を抱える生徒が増えているのです。一度つまずくと、その後もずっと分からないということにつながりかねないので、19市町で
家庭教育支援チームを立ち上げてほしいと思います。
本当に困っている子供が学校の中にかなりの人数いるという意識を持ってほしいです。30人クラスなら、10人くらい困っている子供がいるという前提で、学校の先生が接することが大事だと思います。先生や養護教員の声かけなど、人の関わりが大事だと思います。
生活することに手いっぱいの家庭の場合、親が子供や学校に関わる時間の割合が低くなるので、子供の様々な意欲がなくなってしまい、自分に関心が持てず、
自己肯定感の向上につながらないと思います。ですので、学校の先生の声のかけ方一つで子供は変わるという意識をしっかり持って、取り組んでほしいと思いますが、いつ頃に
家庭教育支援チームは19市町で組織されそうですか。
◎廣瀬 生涯学習課長 今年度3市町ほど増える予定です。いろいろな市町で取り組んでもらっているので、市町によっていろいろなやり方があります。福祉部局と強く連携しているなどの事例を積み上げており、今後、まだ取り組んでいない市町にも展開するなど、御理解を頂きながら進めたいと思います。
◆
中沢啓子 委員 その3市町が増えても、恐らく訪問できる人はそんなにたくさんいないので、全部の家庭をしっかり回ることはなかなかできないと思います。ですので、
学校教育の中でそういった子供をフォローできるのかが非常に大事だと思います。
◎澤
幼小中教育課長 委員がおっしゃるように、家庭や地域を取り巻く環境が困難な状況にある
子供たちをどのようにフォローするのかは、大事なことだと思います。担任が
子供たちをしっかり見ていくことが大事になると思いますし、特別活動などを通じて、支持的風土を学級中につくるとともに、子供同士や子供と教員の関係を育てて、みんなで助け合う風土づくりに尽力し、一定の成功を収めているところもあります。家庭の中まではなかなか踏み込めませんが、学校でフォローできる部分については、教員も努力していると思います。好事例があれば、県内にも広げながら、1人でも多くの子供を見ていけるようにしたいと思います。
◆
中沢啓子 委員 その視点をしっかり持って取り組んでほしいと思います。先生にできることとできないことはありますし、働き方改革の取組もありますので、
個別最適化のために
ICTも活用しながら、学習的にもサポートしてください。後になって、基礎が分からなかったので、そこからずっと分からなくなってしまったという状況にならないようにしてほしいと思います。
◆菅沼利紀 委員 ほとんどの
目標値が達成できていないことに驚きました。
資料の34ページのスポーツをすることが好きか否かというアンケートについて、新型コロナウイルスの影響もあり、数値が落ち込んでいるという捉え方もできると思いますが、これだけ前年度を割り込んでしまった原因、なぜ好きと答えないのかという分析はできていますか。
◎青木 保健体育課長 運動やスポーツをすることが好きと回答した
児童生徒の割合の落ち込みについては、全国的にも同様の状況です。原因として、コロナの影響で様々な遊びや行事、大会等に制限があり、
子供たちがそういったところで活躍するなどによるよい記憶等がないこと、友達などと一緒に遊ぶことが制限されたことによると考えています。
運動が好きな理由として、友達や仲間と一緒に活動できること、すっきりした気分になることなどが挙げられています。逆に嫌いな理由として、体育の授業がうまくできないこと、けがが恐いこと、中には汗をかくのが嫌であるという児童もいます。体育の授業がうまくできない、得意ではないということについては、授業改善により少しでも運動、スポーツをすることが好きな子供を増やす取組を進めたいと思います。
◆菅沼利紀 委員 イエス、ノー方式でアンケートを取り集計しているだけではなく、なぜ好きなのか、嫌いなのかという理由を引き出し、先ほど説明のあった検証につなげているのですか。
◎青木 保健体育課長 統計的にこういった聞き方をしていますが、分析もしています。体育の授業などでうまくできないので嫌いという理由は、小学校高学年になると、周りの目が気になり始め、周囲の子と比べてしまうなどにあります。チームプレイの競技や、勝敗が絡む競技だと、できないことを引け目に感じる、みんなに迷惑をかけたと感じて嫌いになるなどの理由もあります。
総合教育会議の中でもスモールステップという言葉がありましたが、運動が苦手な子供でも伸び伸びと運動ができるよう、小さい成功体験を重ねることがキーだと考えています。そういった分析もしていますので、課題を解消できるように工夫したいと考えています。
◆菅沼利紀 委員 検証を行い、その後の対処につなげていることに安心しました。
コロナ禍もあり、結果を検証しづらいところもあります。スポーツが好きかどうかというすごくシンプルなことですが、積極的に事業を行い、目標を達成できるように、検証してほしいと思います。
○小川泰江
委員長 川島委員と
菅沼委員から発言がありました
数値目標の設定についてお聞きします。この目標の達成状況は、低過ぎるように見えます。
コロナ禍があったとはいえ、ずっと達成できていない項目も非常に多いことが気になります。
スモールステップという考え方は、
数値目標にも当てはまると思います。第4期の基本計画は、これから2年間をかけて策定しますが、
数値目標の在り方について考えてはどうかと思います。
例えば、フローティングスクールの意識調査については、毎年ほとんど実績の数値は変わっていませんが、
目標値だけが毎年上がっています。目標と実績の差を埋める取組が見えてきません。
第4期の基本計画の
数値目標の設定について、考えがありましたらお願いします。
◎上田
教育総務課長 数値目標については、現在、具体的な案の検討に至っていませんが、第3期の
数値目標の状況も踏まえ、より取組が
数値目標の成果として見えやすいように、設定の検討をしたいと考えています。
5 学校における働き方改革取組計画について
(1)
当局説明 有田教職員課長
(2)質疑、
意見等
◆
清水鉄次 委員 残業時間の目標の考え方について、週休二日制で1日8時間の労働時間を超えた部分が45時間や80時間ということですか。
それと、年次有給休暇の目標について、年間20日間付与される中で年14日以上消化するという考え方ですか。
また、春休み、夏休み、冬休みの考え方について教えてください。夏休みは長いですが、先生は毎朝、いつもの時間に出勤し、いつものように帰るという考え方でいいですか。先生は生徒が休みのときにも仕事があると理解していますが、考え方が分からないので教えてください。
◎有田 教職員課長 1点目について、教員の場合、7時間45分をはみ出した時間が超過勤務となり、それが月40時間、80時間の部分で目標を設定しています。
2点目の年次有給休暇については、公務員である教員の場合、通常年間20日間付与され、取得日数は資料のとおりです。令和2年度について、全校種で年次有給休暇の取得が減っている理由は、コロナの関係で4月、5月が休校となり授業ができなかったので、通常は夏休み期間である8月等に授業を行ったため、年次有給休暇がなかなか取れなかったと考えています。
3点目の夏休み等の生徒が基本的に学校に来ない期間については、教員は平日には出勤しています。部活動などの必要な対応はしていますが、夏休みや冬休みに集中的に年次有給休暇を取得する場合が多いです。また、働き方改革の取組として、学校閉庁日の設定も行っており、夏は7日間、冬は8日間、学校を閉庁して、その期間に年次有給休暇を集中的に取るという取組も進めています。
◆
清水鉄次 委員 いつも遅くまで働いておられるとは聞いています。休みの日も、部活動の試合などいろいろな活動があると思います。しかし、間違っていたら指摘いただきたいのですが、休みの日はそんなに忙しくないのではないかと思います。閉庁日を設定して年次有休休暇を消化することは、もちろんいいことです。しかし、本当に1年中朝から晩まで忙しくてたまらないという実態なのですか。長期の休みのときはどういった時間の過ごし方をしているのですか。例えば、その期間に時間的余裕があるのならば、ふだんの仕事をそのときに行うなどの対応はできないのですか。
◎有田 教職員課長 夏休み期間である8月は、比較的、教員の時間外勤務は少ないですが、それ以外の生徒がいる期間については、なかなか休みも取れず、超過勤務も多くなっています。
できるだけ仕事の配分を調整してもらっていますが、
児童生徒がいる平日は、必ず
児童生徒と授業などで向き合う必要があります。授業の後は、行事の準備や、会議等をしますので、平日の
児童生徒がいる間に、全ての事務を終わらせることは、今の段階では難しい状況にあります。ですので、教員がしなければならない仕事は、当然教員にしてもらいますが、それ以外の教員でなくてもできる仕事は、外部人材を活用することにより、できるだけ平日も早く帰ってもらう取組を進めています。
◆
清水鉄次 委員 「目指す姿」に記載されている3項目は連動していると思います。これらを行うには、当然、予算が必要ですし、いろいろな施策も必要になります。
それから、外部人材の活用について、それぞれの地域の実情があります。民間のクラブチームがやっていけるだけの
子供たちが集まる地域と、
子供たちが集まらないため民間に委託しても採算が取れず、運営が厳しくなる地域など、様々な状況があることを踏まえ、情報収集を行い、今後のスケジュールを組んで取り組んでいただきたいです。
先生が遅くまで頑張っていることは理解しています。先ほど一年間を通じての時間的な調整は無理だと説明されましたが、絶対に無理なのですか。
◎有田 教職員課長 無理とは申していません。
児童生徒が来ないときに、例えば行事ごとの打合せを集中的に行うなどの業務改善を進めていけるように学校等と調整をしたいと思っていますが、全体的にそういったことをすることは、なかなか難しいところです。市町
教育委員会や学校等と話し合いながら進めたいと思います。
◆
清水鉄次 委員 学校によっても事情は違うと思いますが、夜の10時など平日に遅くまで働いていることは普通ではないと思います。30分でも1時間でも早く帰ることができるように、1年間を通じての仕組みを改善する検討が必要です。
それから、書類や報告書について、必要性の薄いものはありませんか。
ICTを活用して、簡素化してきていると思いますが、様々な細かい工夫を積み重ねて、労働時間の改善はできないのですか。
◎福永
教育長 教員の働き方改革は、教育を担う人材の確保という点から非常に重要な課題だと認識しています。働きやすい職場でないと、多くの人に働いてもらえません。
学校現場で一番取り組む必要があることは、業務をもっと効率化することだと思います。紙でやり取りを行い、手作業で集計して報告するというやり方は、まだまだ工夫する余地が十分あると思います。
しかし、特に小学校の先生の場合は学級担任制ですので、どうしても平日は朝から給食を挟んで午後まで、
子供たちとずっと一緒にいます。それが終わると多分4時ぐらいになってしまいます。そこから職員会議や明日の授業の準備をしていますと、午後5時をまわって7時になってしまいます。プラス、我々ももっと考えなければなりませんが、県や市町の
教育委員会から調査がありますと、各先生は回答や取りまとめが割り振られますので、対応しなければいけません。教育もデータが大事ですので、我々もいろいろな調査をどうしてもしてしまうところがあります。
あわせて、先生の質を高めるためには、研修を受けてもらわなければいけません。しかし、4月や5月の平日に研修を開いても、先生はどうやって受けるのかという問題がありますので、どうしても夏休みに行います。そうすると、夏休みに研修が多く行われるため、なかなか休みが取れません。そういったところをいかに効率化するのかについて、工夫が必要だと思います。
現在もスクールサポートスタッフを一定数配置していますが、もっと効果的に活用するにはどうすればよいのか。また、部活動指導員をどのように増やしていくのかについては、部活動の地域移行の取組とも連動していますので意識して取り組んでいきます。しかし、部活動指導員も、集まりやすい地域もあれば、集めにくい地域もありますので、地域の実情に応じて取り組む必要があります。県内19市町一斉に同じやり方をしても無理が生じると思いますので、今後の働き方改革の取組の中で考えていきたいと思います。
いずれにしても、ブラックな職場とマスコミ等に言われることがないように取組を進めることが、新しい人材の確保、先生になりたい若者を増やすことにつながると思いますので、意識して取り組んでいきます。
◆菅沼利紀 委員 統合型校務支援システムの中に、県立
高等学校のテスト採点・集計システムは入っていないのですか。
◎有田 教職員課長 統合型校務支援システムとテスト採点・集計システムは別のものです。
◆菅沼利紀 委員 テスト採点・集計システムは高校には導入されていますが、市町の小中学校には導入されていますか。
◎有田 教職員課長 取組としては、
県立学校への導入となります。導入の効果を市町との連携会議で示しまして、市町ごとに導入の検討をされると考えています。
◆菅沼利紀 委員 今後、
文部科学省などのシステム内にこのテスト採点・集計システムが統合される場合には、過去のデータ等との連動性は保たれるのですか。
◎有田 教職員課長
文部科学省の来年度に向けた概算要求において、校務支援システムの標準化を要求されていますが、どういった時期にどのように進んでいくのかは、現在分かりませんので、
文部科学省の状況を見ながら対応したいと思います。
県では令和4年から統合型校務支援システムの運用を開始しており、市町についても、導入しているところもあります。しかし、仕様は別ですので、今のところ、統合は難しいと思います。
文部科学省の取組を注視しながら、今後対応したいと考えています。
◆菅沼利紀 委員 県立
高等学校に導入されているテスト採点・集計システムには成績データも入っていますか。
◎有田 教職員課長 ペーパーテストについて、AI等を使い、客観的な問題は自動採点、記述式も記述内容を読み込み、生徒の回答を一覧にして採点できます。また、合計点数の自動集計が可能です。そういったことから、教員の採点等に係る事務が軽減されると考えています。
◆菅沼利紀 委員 成果と課題に「校務等における
ICTの活用で教職員の負担軽減は一定進むも、超過勤務時間は高止まり」と記載されています。採点等の校務は、デジタルでスマートになっていますが、超過勤務時間が高止まりであるということは、教員が求めている部分が
ICT化されていないのではないかと思います。どういった校務に時間がかかっているのですか。
◎有田 教職員課長
ICT化の最初の取組として、統合型校務支援システムを導入しました。成績処理や健康管理、学籍管理を今までは別々のソフトやエクセル等で管理していましたが、それを1つのシステムにまとめ、各教員で共有できるシステムの運用を開始しました。
それ以外にも授業関連の内容の
ICT化を進めることにより、さらに教員の負担軽減を進めることができますが、具体的な個々の業務内容の
ICT化は、それぞれで個別に判断し、どういった形で
ICT化できるのかを改めて検討したいと思います。
◆菅沼利紀 委員 全教員が利用、共有できるものをつくらないと、なかなか労働時間を減らすことができないと思います。県独自ではテスト採点・集計システムの導入により効率化していますが、次のステップのために何が先生の労働時間を下げる要素になるのかを考えてほしいと思います。
◆
中沢啓子 委員 教員の持ち帰りによる時間は、超過勤務時間に含まないとなっていたと思いますが、基本的に持ち帰りによる仕事はないという認識でよいですか。それとも、持ち帰りがあったとしても、単に時間に含まないという考え方なのですか。
また、先ほどからスクールサポートスタッフが非常に有効だと説明していますので、効果的なのであれば、しっかり予算をつけるべきだと思います。資料を見ましても、中学校で超過勤務時間が月に80時間超である先生は20%程度であり、5人に1人となっています。ですので、人員の配置などの必要な予算は、しっかりとつけるように頑張ってほしいと思います。
あわせて、中学校の部活動の地域移行については、地域によってどれぐらいできるのか、指導員がどれだけいるのか、予算がきちんとつくのかが問題です。モデル校が2校あり、1校はもともと部活動指導員がいらっしゃり、そのまま上手に移行できたと聞きましたが、もらっているお金だけでは足りず、今年は保護者からお金を集めるという話を聞きます。そうなると、親御さんに負担がかかり、今後の展開が難しくなることが考えられます。それから、人数がたくさんいる部活動やメジャーな競技なら対応できるかもしれませんが、小さな学校やメジャーではない競技では成り立たなくなることを危惧します。子供の多様性や個性に合わせて対応できるのかも心配です。ですので、早めにどういった対応をするのかを考えてほしいと思います。
それから、多分中学校の場合は、部活動に関する教員の残業時間も多いと思います。部活動を地域移行したときに、当然、部活動に関する費用として報償を出すと思います。そのときに、学校の先生が地域での活動として指導をするかもしれません。そうすると、教員は公務員なので、副業規定に抵触しないのかも考えておかないといけません。
部活動の地域移行について、スムーズに移行できるところとできないところがありますので、いろいろなバージョンを考えて、どのように対応するのかを学校や地域任せにせずに、
県教育委員会も一緒に考えてほしいと思います。
◎有田 教職員課長 1点目の、教員の持ち帰り時間については、資料のグラフに含まれていませんが、
県立学校については、別途、持ち帰り時間も把握しています。
また、中学校の超過勤務時間が80時間を超えている者が約2割いることについて、非常に問題であると認識しています。特に中学校と高校については、部活動の負担があります。土曜日、日曜日の部活動は、少なくとも半日、後片づけ等をしますと1日になることもありますので、部活動の地域移行を進めています。ただ、教員のやりがい、地域の実情等もありますので、令和5年から令和7年までの3か年をかけて検討する必要があると考えています。
それから、兼職、兼業については、3か年をかけ、どういった形で認めていくのかについてしっかりと検討して、教員に不利益や異論がないように進めたいと思います。
◎青木 保健体育課長 部活動の地域移行における指導者への謝金等については、委員がおっしゃるとおり大きな課題だと認識しています。国の概算要求では、経済的に困窮する子供もスポーツや文化活動ができる体制が考えられていますので、国の動向を見極めながら、考えたいと思います。
休日の部活動の地域移行については、
子供たちがスポーツと文化に親しむ機会を確保し、そのことが教員の働き方改革にもつながる取組であると考えます。
◆
中沢啓子 委員 教員の持ち帰り時間を把握していると説明がありましたが、どのくらいあるのですか。
◎有田 教職員課長 今、手元に数値を持っていませんが、授業準備などを持ち帰っていると聞いています。
◎嬉野
教育委員会事務局教育次長 私の感覚ですが、高校の場合は、最近、持ち帰りはほとんどありません。ないと言いますと語弊がありますが、本当に数時間程度だと思います。持ち出しにいろいろな制約があり、あまり持ち帰らないのが現状だと思います。
◆
中沢啓子 委員 中学校の持ち帰りについて、また分かれば教えてください。
試行錯誤することが大切だという話があったと思いますが、そのためには考える時間が必要だと思います。しっかりと時間をつくり、考える、トライできる環境整備をしてほしいと思います。
◆
川島隆二 委員 朝の8時から8時15分くらいまでに子供は学校に行くと思いますが、その場合、先生の労働開始時間は何時からになりますか。
◎有田 教職員課長 勤務開始時間に来てもらえればいいですが、現実的には始業時間の大体30分ぐらい前には来ていると思います。
◆
川島隆二 委員 その部分は超過勤務になるのですか。
◎有田 教職員課長 令和4年4月から県ではICカードで出退勤管理をしており、出勤時間と退勤時間により、在校等時間をしっかり把握しています。
◆
川島隆二 委員 そうではないです。始業時間が8時20分の場合、その30分前には行く必要があるのならば7時50分に出勤しますよね。この30分は超過勤務になるのですか。
◎有田 教職員課長 在校等時間ということで、勤務時間外に在校しているということです。
◆
川島隆二 委員 それは超過勤務にならないのですか。
◎有田 教職員課長 一般の公務員のように超過勤務として手当が出る時間とはなっていません。
◆
川島隆二 委員 先生には、残業代が出ないので、もともと少し多めに給料をもらっていると思いますが、何時から何時までが先生の本来の勤務時間なのですか。
◎有田 教職員課長 教職員調整手当は、時間外勤務も含めた形で考慮されており、給与額の約4%となっています。しかし、超過勤務時間について、40時間超が6割、80時間超が2割という現実に合っていません。
◆
川島隆二 委員 説明員の中に小中学校の先生はいますか。若いときはどれぐらい超過勤務をしていましたか。
◎澤
幼小中教育課長 若いときの超過勤務時間について、全く記憶にありません。朝と放課後、部活動をしていましたので、結構たくさんの時間外をしていたと思いますが、私たちの時代はきちんと記録に残すという制度にはなっていませんでしたので、分かりません。
◆
川島隆二 委員 つらかったですか。
◎澤
幼小中教育課長 議論から外れまして申し訳ないですが、教職員として一般的に負担と負担感は違うかと思います。地域移行よりもしっかり部活動を見たいという教員もいます。その辺の難しいところが、今後、どのように整理されるのか、個人的に興味を持っています。
◆
川島隆二 委員 超過勤務の考え方だと思うのです。中身の質も含めて考えなくては駄目です。一般の公務員は残業代が出ますが、先生は出ません。どこまでが超過勤務なのだという話にもなります。部活動を地域移行したらいいと言いますが、一方で部活動は教育だと言っています。地域移行するということは、教育ではないという話になりませんか。
例えば高校野球を地域移行なんてできないのではないでしょうか。そうなると中学校までは地域移行、高校はそのままになってしまい、高校については何の改善にもなりません。こういったことをきちんと考えていかないといけません。高校野球はあんなに盛り上がっていますが、地域移行したら、また状況は違ってくると思います。そういうところも含めて、教育の在り方を考えないといけません。
行事を撤廃すると言いますが、確かに海外、アメリカの学校などは運動会や文化祭、修学旅行などはありません。アメリカの学校の先生はある意味、課外授業がほとんどないので、楽といえば楽です。日本は課外授業や体験学習を物すごくやります。この前に副知事も言っていましたが、滋賀県の強みは、体験学習をたくさんやることなので、体験学習をやめることはできないでしょう。そうすると、どこを削るのかを考えなければいけません。
先生の労働時間の考え方は、一般の公務員とは違いますよね。朝に少し早く来たら超過勤務の対象になり、資料のグラフに含まれるということはないでしょう。部活動がやりたくて一生懸命な先生が、勝手に朝練を見に行ったときも超過勤務なのでしょうか。そういったところも含めて、考え方を整理しないと、先生の超過勤務の数字を出されてもしっくりきません。
◎福永
教育長 まずは在校等時間を正確に把握するために、ICカードを導入し、取り組んでいます。
県庁の職員も含め、8時半から始業の場合、全員が8時半ぴったりに来ることはありません。8時10分ぐらいに来たり、場合によっては8時に来ます。では、来て何をしているのかといえば、いろいろだと思います。会議の準備のために早く来た人もいれば、仕事はしないが時間に余裕を持って早めに来る人もいます。そういったことをしっかり整理した上で、真に働かなければならない時間、働くために在校している時間を正確に把握するために、まず正確に在校している時間を把握しています。委員のおっしゃった点は、今後、分析するとともに、必要に応じて把握の仕方を見直すなどして取り組みたいと思います。
また、滋賀ならではの体験学習は、小中学校、特に小学校で大切にしたいと思います。体験学習そのものの時間はおそらく先生の勤務時間中に取り組まれますし、
子供たちの学びの時間です。しかし、事前の学習や準備については、先生に負担がかかっているところもあると思いますので、もう少し工夫する余地があると思います。体験学習をやめるのではなく、うみのこややまのこ、たんぼのこ、ホールの子などの事業のやり方を考える余地はあると思いますので、不断に見直す必要があると認識しています。体験学習をやめたいと思っているわけではなく、引き続き取り組み、もっといい学びにしたいと思っていますが、準備にかける時間については、さらなる工夫が必要だと
教育長として思っています。
◆
川島隆二 委員 最近、複雑に考え過ぎて、物事を小難しくし過ぎているのです。体験学習の準備や事後、部活動も含めて、もっと単純にやってもいいと思うのに、無駄な時間をかけ過ぎている部分も多分にありますので、改善する余地は物すごくあると思います。行事をいかに効率よく明解にできるようにするのかを考える必要がありますが、先生はすぐに小難しくしますので、変える必要があると思います。
それから、授業は先生の一番大事な仕事です。授業準備に時間がかかるので大変だと言いますが、もっと自分自身のスキルを上げる必要があるのではないでしょうか。授業準備が大変だからといって、その対策を
教育委員会が考えることに違和感があります。
説明員の中の教員の人に聞きますが、
教育委員会事務局で仕事をするのと現場で先生をやっていたときは、どちらが時間的な余裕がありますか。
◎横井
高校教育課長 正直に申し上げます。私個人としては、
学校現場にいたときのほうがかなり余裕はあります。事務局はいろいろな意味で大変です。
◆
川島隆二 委員 今の話からすると、結局、得手不得手なのだと思います。
学校現場が楽しかったから、そんなに苦労と感じなかったのだと思います。でも、事務局になると、委員会などで議員にいろいろと言われたりするなど、今までと勝手が違うため、時間に余裕がないのだと思います。教員をやっていて時間的に余裕がない人は、教員にあまり向いていないのかもしれません。教員免許を持っているからといって絶対に教員をする必要はないので、配置転換なども含めて考えるなど、考え方は変えたほうがいいのかもしれません。
教員の働き方改革については、報道されている一面以外の面もあると思いますので、いろいろな角度で考えたほうがいいと思います。
休憩宣告 11時57分
再開宣告 12時59分
6 滋賀県立
高等学校入学者選抜方法等改善協議会について
(1)
当局説明 横井
高校教育課長
(2)質疑、
意見等
◆
川島隆二 委員 資料2ページのPTA関係者の声に、他府県からも来てもらってはどうかということが書かれていますが、
教育委員会としてはどのように受け止めていますか。
◎横井
高校教育課長 大変重要な意見だと受け止めています。しかし、仕組みとして、他府県からの募集は、学校の特色化の中で考えるべきだと思います。例えば、信楽高校は、全国募集を実施していますが、陶芸やセラミックといった滋賀県ならではの学びについて、全国から募集しています。さらに甲賀市からかなりの支援をしていただいており、そのことも大変重要だと考えています。
ですから、学びの特色という意味で、全国募集も検討する必要があると思います。
◆
川島隆二 委員 公立高校に関しては、滋賀県の予算で運営していますので、他府県から生徒を入れるのは考えづらいと、青木
教育長時代からずっと言われていますし、今もそうだろうと思います。確かにその側面はありますが、500人が滋賀県からほかの府県に流出している中で、滋賀県は他府県の人を入れませんというのはどうなのでしょうか。例えば虎姫高校の国際バカロレアも特色ある学びだと思いますし、こういったところに他府県から来てもらうことを考える必要があると思います。そして、お互いに切磋琢磨できる状況になればいいと思いますので、そろそろ方針転換を考える必要があると思います。
高等専門学校は、他府県の人も入学できますよね。寮をつくって、他府県から学びやすい学校を目指すと知事が言っています。高専門学校も滋賀県のお金で運営しますので矛盾しませんか。
他府県からの入学をオーケーにしているところが全国的に増えていますが、これは少子化により子供が少なくなっているので、他府県から生徒を入れて、規模の小さい学校もできるだけ生徒を増やす取組の一環だと思います。今は少子化で生徒の取り合いになっているので、県域だけにこだわるのはいかがなものかと思いますので、再考する必要があると思います。
◎横井
高校教育課長 令和9年度以降、子供の数が急激に減っていくことを踏まえ、全国募集について、高校教育課としても考えたいと思います。
◆
川島隆二 委員 新しい入学者選抜の仕組みが適用されるのは、令和9年度からですか。
◎横井
高校教育課長 現在検討している入試制度は令和8年度からを予定しています。現在、魅力ある高校づくり推進室が進めている
高等学校の魅力化と連動する形で、全国募集を実施するのか、しないのかも含めて、全国の状況も踏まえ、検討したいと思います。
◆
川島隆二 委員
教育委員会としては全国募集の方針にこれから転換するということでよいですか。
◎横井
高校教育課長 そのあたりについて、まだ十分に
教育長と両次長に話をしていません。高校教育課としては、きちんと考えを整理し、
教育長等に相談したいと思います。
◆菅沼利紀 委員 受検料は全員無償でしたか。
◎横井
高校教育課長 原則有償です。
◆菅沼利紀 委員 試験は、ある程度の壁であり、選抜の手法です。受検機会を増やしたり、入りやすくする必要性はないと思います。
入試のレベルを下げて、絶対に入学できるというものにするのではなく、入試という機会を通して、1つの壁を乗り越えるということも大事だと思いますが、そのバランスの取り方はどうなっていますか。
◎横井
高校教育課長 現在、中学校卒業生の99%が何らかの形で
高等学校等へ進学しています。
私学は建学の精神に基づいて学校を経営していますが、公立は公立の役目があると思います。近年は、定員に満たない学校が約半数あります。そういった学校については、定員充足の観点から不合格とならないように
校長先生にお願いしたりします。一方で入試は、人生における大事な壁であり、乗り越えることでその後の人生に大きな影響があると思います。そういった視点も含め、今後の新しい入試の仕組みを考えたいと思います。
◆菅沼利紀 委員 私が受検したときは、先生がどの学校にどれだけの生徒が受検するのかを調整していた記憶がありますが、それでも人気校と人気がない高校があります。私が受検したときはなかったですが、定員割れの学校には2度目の受検の機会があるとも聞いています。
入試の一番の目的は、振り分けだと思いますので、そこを踏まえた上で、新しい機会や違う角度の機会をつくり上げる必要があります。そうでないと、
子供たちが勉強しないと思います。大人として厳しいラインをつくる必要があると思います。それから、学校の運営の視点で考えると、手間の問題もあります。振り分けるほうが業務量も少ないです。機会をたくさんつくることで、先生等の手間が増えてしまいます。しっかりと勉強しないと生きていけないのだというような壁をつくってほしいと思います。
◆
川島隆二 委員 特色選抜と推薦選抜、一般選抜の割合はどうなっていますか。
◎横井
高校教育課長 特色選抜と推薦選抜は、多くの学校で募集枠の30%から40%です。特別な学科、例えば膳所高校の理数科や高島高校の文理探究科は50%です。それ以外の70%が一般選抜です。
◆
川島隆二 委員 推薦選抜と特色選抜を合わせて30%ぐらいということですか。
◎横井
高校教育課長 そうです。全ての学校が推薦選抜か特色選抜を実施していますが、推薦選抜の学校は30%枠が多いです。
◆
川島隆二 委員 入学した後、特色選抜の生徒と一般選抜の生徒の学力について、どのような傾向がありますか。
◎横井
高校教育課長 県として、そういった統計は取っていませんが、私が勤めていた
高等学校については特色選抜をしておりましたけれども、入学後の成績等を見ますと、特色選抜で入学した子供のほうが学力的には高かったです。
◆
中沢啓子 委員 資料12ページの選抜を受検した理由のスポーツ・文化芸術推薦選抜に関して、「家から近い・学びたい学科・やりたいクラブ等があった」がかなり多くなっています。これから部活動を地域移行していくことも含め、一緒に考える必要があると思います。部活動を地域移行するのであれば、こういった学校は、今後、どういった特色化をするのかが問われてくると思いますし、学科編制にも関わってくると思います。
子供たちが高校に入学したときにやりたいと思えるような特色化が必要です。ですので、特色選抜と特色化は連携して考える必要があります。
インクルーシブ教育という流れがありますので、今後、障害を持っている方の枠の検討が必要ではないでしょうか。また、ハードルという意味で考えれば、外国人の子供に対して、どういった配慮ができるのかについても、検討が必要だと感じました。
◎横井
高校教育課長 中学校の子供がどういった視点で学校を選んでいるのかは、非常に大事なポイントだと思います。「家から近い・学びたい学科・やりたいクラブ等があった」という回答は、
高等学校の魅力化に直接つながってくるものだと思います。特に学びたいという部分について、その高校でどんなことをやっていて、どんなことが学べるのかは、もっと発信しなければいけないと思います。
部活動については、学校によっては非常に熱心に取り組んでいます。一方で、私立高校は早い段階から勧誘等を行っており、ルールがいま一つ明確になっていないという課題もありますので、私立側と我々公立側が話をする必要があると思います。
外国にルーツのある子供や障害のある子供については、他府県に聞き取りをしますと、枠を設けている都道府県もあります。そういった
子供たちが増えていることは十分把握していますので、議論を深め、対応を考えたいと思います。
○小川泰江
委員長 今回の改革の大きなポイントは特色選抜の検討であると理解しています。資料18ページの特色選抜については、管理職側と高校1年生側と結果が違っていますし、19ページのように管理職でも中学校と高校で随分違うと思います。22ページの受検区分によっても随分評価が違うことがアンケート結果からは読み取れますが、これをどのように評価し、次の検討につなげるのか伺います。
◎横井
高校教育課長 特色選抜は、平成18年に制定されてからかなりの時間がたっています。その間、
高等学校長協会、中学校長会から要望も出ています。そういったことを踏まえ、現在、検討していますが、中学校や高校の管理職の先生は、一定改善が必要ではないかという意見です。高校1年生には特色選抜を受けていない子供もいるため、分からないという回答が目立ち、このあたりは十分なデータではないと思いますが、中
学校現場からは、特色選抜のやり方を変えたほうがいいのではないかという意見が毎年出てきます。
委員長がおっしゃったように、特色選抜をどうするのかが今回の協議会のポイントの1つだと思います。
○小川泰江
委員長 22ページのそれぞれのグラフの人数比は分かるのでしょうか。それぞれの母数が違うと思いますので、それぞれの人数が分かるものを、後日で結構ですので、提出をお願いします。
7 (仮称)滋賀の県立
高等学校魅力化プランについて
(1)
当局説明 小嶋高校教育課魅力ある高校づくり推進室長
(2)質疑、
意見等
◆
川島隆二 委員 この資料の内容がたたき台になりますが、もっととがった意見が出れば、検討するのですか。
◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長 たたき台ですので、いろいろな御意見を聞く中で、新しい案が出てきましたら、検討したいと思います。
◆
川島隆二 委員 この資料の内容が、現時点で
教育委員会が考えるそれぞれの学校の特色、魅力ですか。
◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長 各学校とやり取りをしているところであり、具体的な学科改編、コースなどまでを示す段階ではないですので、抽象的な表現となっていますが、学校と調整した大きな方向性であり、この方向で魅力化を図りたいと考えています。
◆
川島隆二 委員 この方向で魅力化を進めることにより、それぞれの学校を志望する人が増え、生徒数も増えると考えていますか。現在、県外に流れている生徒がある程度少なくなると思いますか。
◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長 比較的定員が集まりにくい学校をまずは優先的に改革したいと思います。
中学生がより自分に合ったことを学べる学校となるように、また、できるだけ選んでもらえる学びを提供できるようにしたいと思います。
◆
川島隆二 委員 中学生の思いとこのプランは合致するのですか。定員割れしている学校を重点的に取り組むと言いましたが、魅力化プランを進めることによって定数割れをしている学校が減らなければ、魅力化にはなりませんし、
子供たちが行きたいと思っている学校とは乖離があるということです。そういったことを踏まえてたたき台を作成しましたか。
◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長 今後、生徒数は減っていきます。また、中学を卒業する生徒の数も決まっています。魅力化を進めることにより、県外の学校に行こうと思っていたが、
県立学校でもこんな学びがあるのならばそこで学ぼうと思ってもらえれば、県立高校に進む生徒も増えてくると思います。しかし、生徒の総数はだんだん減りますので、
県立学校への入学者がすごく増えるということではなく、どちらかというと県外に流れることを食い止めるということになるかもしれません。ですが、将来やりたいことを見つけてもらえる学校づくりを進めたいという思いで、今回、たたき台を御提案しました。今後、皆様の御意見を伺い、さらに充実した取組が出てくれば、それらも踏まえて検討したいと思います。
◆
中沢啓子 委員 スポーツや芸術活動など、様々な特色、魅力化があると思います。では、
県立学校を魅力化して、楽しい学校で終わってしまってよいのでしょうか。その後、大学への推薦枠が取れるなど、次の道が開けることが
子供たちにとって大事なことだと思います。そういった次へのつなぎの部分も含めて、
県教育委員会は学校と共に汗をかいて取り組む必要があると思います。
◎小嶋 高校教育課魅力ある高校づくり推進室長 基本的に生徒は3年間学んだ後、進学や就職をします。進学であれば、学びたい学問やスポーツなど、いろいろな選択肢があると思いますので、まずは自分が将来進みたい方向を高校でしっかり見つけてもらい、高校はその進路を支えることが非常に大事だと思います。そのためには、単に生徒が集まりそうな学科をつくるのではなく、将来の希望につながる学びをしっかり考え、
県立学校の魅力化を進めたいと思います。
◆
中沢啓子 委員 そうなると、専門性という課題がありますので、人材をしっかりと確保するために、
教育委員会として支援をお願いします。また、いつも言っていますが、予算の確保や現場への裁量権もお願いします。
○小川泰江
委員長 先ほどの
川島委員から中学生のニーズに合っているのかという質問がありました。例えば、地域連携というものを中学生が魅力的に感じるでしょうか。中学3年生の子は都会にも出たい、できたら世界にも出たいという夢を描くと思います。地域ということを前面に押し出すことが、本当の魅力化につながるのかに関して疑問に感じています。今後の発信の仕方によって感じ方が変わると思いますが、現段階で進め方のビジョンがありましたら教えてください。
2点目、室長の説明にもありましたが、やはり定員割れをしている学校にこそ、集中的に予算やアイデアなどを投下するべきだと思います。このたたき台のように全ての学校に対して網羅的に取り組むことに違和感があります。例えば膳所高校や守山高校まで取り組む必要があるのでしょうか。このように整理した理由を教えてください。
最後に、魅力化と入試制度改革は関係があると思います。入試制度改革とどのように連携するのかについて教えてください。
◎福永
教育長 1点目の地域連携重点について、県立高校が地域で果たす役割や意味を考えるとともに、地域の活性化につながるかどうかを考える必要があります。その地域にこんな企業がある、こんな取組が行われているということを、高校の段階でしっかり学んでもらうことにより、地域やふるさとを大切に思う大人を育てていくことが大切だと認識しています。また、本県にも、そういった取組をしないと厳しい地域があると考えています。
2点目について、今回の魅力化プランは、全日制だけでなく定時制なども含めた全ての県立高校で取り組みます。滋賀の
子供たちは、県内のどこかの学校に通っていますので、ある学校が魅力化プランの外にあるというのは、少し違うと思います。今とそれほど変わらない取組であっても、引き続きその取組をさらに特色化、魅力化した
教育課程に取り込んでいく意思表示も必要だと思います。しかし、全ての高校で一斉に魅力化に取り組むことは、物理的に無理ですので、室長から説明があったように、早く取り組むべき高校を選んで魅力化を進めます。
それから、県全体の募集定員については、中学校卒業生の数や共に公教育を担っている県内の私立高校との関係も考えながら、全体の募集定員を考えたいと思います。
また、定員割れをどのように受け止めるのかという問題もあります。定員を減らせば、定員割れをしなくなるかもしれませんが、その手法が本当に正しいのかを考える必要があります。やはり、学びたい、学ぶことがプラスになると思われる学校をつくることが、まずは大切だと思います。定員が決まるとクラス数が決まり、学校の先生の数も決まりますので、しっかりと考えたいと思います。資料にお示ししているものはたたき台ですので、スクールポリシーを各学校がしっかりと持ち、どのようなカリキュラムをつくり、どのような人材を育成するのかを考える必要があると認識しています。全国募集についても、考えるべき一つのテーマだと認識しています。
それから、
川島委員から
高等学校と高等専門学校のお話がありましたが、高等専門学校は高等教育機関という位置づけであり、大学や短期大学と同じカテゴリーです。滋賀県立大学も滋賀県の税金で運営されていますが、全国から
子供たちが入学しています。滋賀県の
子供たちに対して配慮をされていることは理解していますが、募集は全国からしているという認識です。
◎横井
高校教育課長 3点目の入試制度と魅力化について、当然連動すると考えています。新しい入試制度をつくる段階で、どのような生徒を求め、育成していくのかを、各高校から県内中学校等へ発信することが大事だと思います。
例えば、生徒会や部活動を頑張っていた子供に入学してほしいのであれば、そういった枠を増やす、また、英語に力を入れたいので、英語の入試の配点をもっと大きくすることを希望されるのならば、一定、各
高等学校の校長にお任せするのも1つの方法かと思います。これはあくまで個人の考えですが、そういったことも踏まえた新しい入試制度をつくりたいと思います。
◎嬉野
教育委員会事務局教育次長 大学入試も随分変わってきており、一般入試よりも推薦入試での合格が増えています。高校でどんな学びをしてきたかをしっかり言える子供を取る傾向に変わってきています。最近、知事が林業科の話をしますが、例えば、林業や農業などの学びを通じて何を学び、自分が主体的に何をしてきたのかをしっかりと言える子供が、これからの入試に強くなっていくと思います。
様々な学びがある中で、何か一つの専門の学びを通じて自分が高校でどのような成長をしたのかが問われる時代が来ると思います。私も昨年、地域連携による学校の魅力化を図っていましたが、
委員長のおっしゃるとおり確かに難しいですし、
子供たちにはなかなか伝えにくいですけれども、地域ですごく頑張っている大人を見ると、地域にすごい人がたくさんいることに気づきます。ですので、連携できるところをつくり、いろいろなところへ子供をどんどん出していきます。大人が何かを提供して子供にさせるのではなく、自分がしたいと思うことが自身から出てくるまで、できるだけ辛抱して、出てきたことを一生懸命やらせるという教育を、これからはしていくべきだと思います。生徒全員にやってもらうことはなかなか難しいですが、できる子には1年生の早い段階からそういった取組を行っていくことで、力がついていくと思います。
これからの学びは、恐らく従来の学びとは随分と違うものになると思っています。そういう意味で、地域連携は非常に大事だと思います。
○小川泰江
委員長 地域連携が大事なことも分かりますので、中学生にとって、魅力的に映る発信をお願いします。くれぐれも地域や大人、学校の都合で
子供たちに進路を示すのではなく、
子供たち自身が学びたい、地域のために取り組みたいと思える制度となるように、魅力化に取り組んでいただきたいと思います。
8 一般所管事項について
○本田秀樹 副
委員長 我が会派の重田議員が、ライフジャケットについて一般質問をしました。
教育長の答弁は「県内の一部の市町におきましては、体育の授業において校内プールでのライフジャケットの着用体験や学校行事、課外活動で実際に着用の機会を設けて、ライフジャケット着用の大切さを学んでいる」「他の市町にライフジャケット着用についての啓発を進めてまいりたい」といった内容でした。知事の答弁も「引き続き関係部局と共に考えてまいりたい」というものでしたが、今後、ライフジャケットについて、予算化などを考えているのか
教育長に伺います。
◎福永
教育長 予算化云々となると、いろいろな手続や課題があります。今、ライフジャケットを持っているのは、4つの市の主に小学校ですが、実際にどのようにライフジャケットを活用し、子供の安全につなげているのかを、ライフジャケットを持っていない市町
教育委員会関係者にまずは知ってもらう、意識してもらうことが大事だと思います。そして、必要だと判断いただければ、それぞれの市町が、自ら買う、寄附をお願いするなど様々な手法で調達されると思います。それがうまく進まないときに、県が所持するということもあると思います。いきなり県が所持して貸出すのではなく、ステップを踏みたいと思います。
今後は、知事をはじめ警察本部、土木交通部の意見なども聞き、進めていくことが適切だと思います。
○本田秀樹 副
委員長 理解はしました。今後、早急に市町や警察などと協議を進めてほしいと思います。要望です。
閉会宣告 13時58分
記者傍聴 :京都、読売、滋賀民報
一般傍聴 :なし...